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【書評】『ルビンの壺が割れた』に学ぶ、相手の目的を見抜く方法

後輩に進められて、読みました。

ルビンの壺が割れた

ルビンの壺が割れた

以下、ネタバレを含みますので注意してください。



あらすじ、解説

特に、普通の小説のような、描写というものがありません。
Facebookのメッセージのやりとりが最初から最後まで続きます。

男性が、ある女性をFacebookで発見し、
30年ぶりにFacebookでメッセージをします。
その女性は、結婚前夜に逃げ出されたっきりになっていた女性。
最初は、久しぶりの挨拶から始まり、
昔話をしたりするのですが、
最初は「結婚式前夜に逃げたあなたを、私は許した」と言っていた男が、
徐々に「今の自分がこうなってしまったのは、あなたのせいだ」
と言い始めます。
そして少しずつ、お互いの闇の指摘のし合いになり、
最後には、女性が、男が猟奇的殺人犯であることを裏付ける証拠をたたきつけ、
女性側の「とっとと死ね!」で、この本は終わります。
なんとも言えない後味です・・・。笑



相手の言葉の内容ではなく、事実に着目することで相手の目的を見つける

この本、私は読みながら、「きもちわる」と思っていました。
男側に対して。
なぜかというと、
はじめに「私はあなたのことを許した」と言いながら、
「今の姓を教えてください」
「現住所を教えていただけませんか」
みたいなことを、時々はさむんですよね。

そして最後には、「あなたが悪い」と言い出す。

ここで、
「あなたを許した」という相手の発言に惑わされてはいけない。
本当に許したのであれば、
わざわざFacebookで探して、久しぶりのメッセージをしてくるだろうか。
許したと言いながら、身元を細かく知るような質問をしてくる理由は何だろうか。
メッセージを送ってきているという事実の、目的はどこにあるか。
それを考えれば、
相手の言葉が嘘に近いことは、
分かるんじゃないでしょうか。
言葉の中身を深読みするのではなく、
なぜ今、メッセージを送ってきたのか?を考える。



まとめ

SNSがとても広まり、
「お久しぶりです!」とメッセージを送ること自体、
私もめずらしくないので、
とてもリアルな感じで読めました。
文脈・行間などから、真の目的がどこにあるのか探るのは、
普段の仕事でも一緒ですよね。
良いトレーニングになりました。笑

「健康経営」と「働き方改革」の本質に違いは無く、「ダイバーシティ推進」も含めてセット。その本質は、「仕事は1日8時間」

健康経営、働き方改革ダイバーシティ推進。
私の頭の中では、
こんなイメージ図です。

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それぞれ、違う立場・視点から見ているのであって、
中心に存在するものは同じじゃないかと。

その中心に存在するのは、
『仕事は1日8時間』
です。

↓以前書いたブログ記事ですが、赤羽雄二さんの本でも、仕事は1日8時間を前提に考えるのが大切と
力説されています。
landyny.hatenablog.com

私もそうだと思います。

残業が前提なんてありえない外国人や、子育て中の親でも、
働くことができる。
ダイバーシティ推進

従業員は、まず心身の健康を確保でき、
今の業務と非連続的な自己投資に時間を割くことができる。
働き方改革

経営者は、社員が活き活きと働く事で、
品質アップ、業績アップ。
優秀な外国人や、子育て中の親も戦力になってくれる。
→健康経営


これらが同時にポジティブなサイクルを起こすために必要なことは
やはり、
『仕事は1日8時間』
ですね。
裁量労働であっても、合計8時間をどう使うかに裁量があるだけの話でしょう。



健康経営、働き方改革ダイバーシティ推進、
個別に進めようとするのではなく、
『仕事は1日8時間』を徹底して行うと、
勝手に良い方向に転がり出すんじゃないでしょうか。

人間の仕事を奪うと言われている人工知能は、ななめドラム洗濯乾燥機と同じ。人間をラクにし、自由にしてくれると考えよう。

いよいよ実用レベルになる人工知能は、ななめドラム洗濯乾燥機と同じ


AIがホワイトカラーの仕事を奪う、って言われていますが、
ネガティブにとらえなくてもいいんじゃないかな。
僕たちの仕事が、もっと楽になって、
コアな部分に、集中できるんじゃないかな。


ななめドラムの全自動選択乾燥機がまさに発売されようとしている時に、
「主婦の毎日の洗濯という仕事を奪うのか!!!」
というのに似ている気がします。




ななめドラムは、洗濯物を放り込めば約3時間で乾燥まで終わります。
たしかに、物干しに干すという主婦の仕事を奪っています。
でも、それで主婦は不幸になったかというと、そうではなく、
自由時間が生まれた
んじゃないでしょうか。




  • もともとは人がしていた仕事を
  • 人ではないモノが代わりに自動でやるようになり
  • 人間の生活が変わる

この共通点、AIもななめドラム全自動洗濯乾燥機も同じですよね。



今後についてどう考えればよいか

まず、いま人間がやっている仕事の一部をAIができるようになる未来を、受け入れる。
そして、そうなった未来で、人間は何を楽しんでいるのかを考えてみる。

人工知能は悪だ!」
「そんなものを作っている奴らは悪魔だ!」
「どうにかして抵抗するぞ!」
という、反発ではなく、
諦めてAIを受け入れる。
そして、その上で人間は一体なにを楽しみに生きているのか、考える。

全自動洗濯乾燥機のおかげで、洗濯板を踏む楽しみはなくなったけど、
その分、子供と触れ合う時間が増えたとか。

人間、本質的にはナマケモノで、
便利なものが出て来てもキリがないくらい、貪欲になまけて、かつ楽しむ道を
開拓できると思います。笑

AIと聞くとネガティブなイメージを持ちがちですが、
未来は楽しくなるんだと考えると
いいんじゃないでしょうか。

日本企業が競争力を失っている理由を考えた

日本企業が競争力を失っている理由・・・

  • 冒険的な投資・研究が出来ない
  • 日本人だけ、同じ属性だけ、で集まろうとする
  • 失敗が非難される文化がある
  • 自前主義

くらいを思いつきます。

冒険的な投資・研究が出来ない

すぐに「で、2年後いくら儲かるんだね?」と聞く管理職。
間違いなく勝てる戦略を描けないと1円も使わせてくれない組織。
そんな中じゃ、冒険的な投資・研究の案なんてとても通らない。
そして、学習性無気力とう、「どうせ提案してもまた潰される」
という思考回路の部下が量産され、案も出なくなる。
最悪の循環ですね。



日本人だけ、同じ属性だけ、で集まろうとする

口ではダイバーシティマネジメントだと言っても、
「じゃあ、2月もお正月をつくりましょう」と言ったら
「あほか、出勤しろ!」と言う。
同調圧力、同調強要が強すぎる。
今までのお作法を強制しすぎる。
その結果、結局似たような属性の人ばっかりになる。



失敗が非難される文化がある

たった1回の、小さな失敗を、
まわりの人は「ほれ見たことか」と非難する。
失敗する確率があるのは理解しつつも挑戦して、
そして失敗した人に向かって、
「ほれ見てみ、言った通りになったやろ?」
と誇らしげに言ってくる。
そんなことを言われた人は、
「もう挑戦なんてしない」と思うか、
その組織を抜けて、別のところで挑戦するでしょう。



自前主義

産学連携も、M&Aも、アウトソーシングも、何も頼らず、
自分たちですべて行うのが筋と考えている。
そのため、斬新な視点は生まれないし、
スピードは遅い。



競争力を取り戻すためには

上の4つの逆をやればいいと思いますよ。
冒険的な研究・投資をする、
多様な人を活用する、
失敗を褒める、糧にする
自前主義をやめる。

言うのはカンタンですが、これらを実践しようとしたときには、
必ず自分のこれまでの快適なゾーンが脅かされることになります。
それに対して、本気で向き合えるかどうかにかかっていると思います。
向きあえたとき、競争力は格段にアップするんじゃないでしょうか。