毎日が経営学

テクノロジーをビジネスにするための考え方を書いていくブログ

海外と違い、雑用ばかりしている日本の大学の研究者

「本気で研究したいなら海外へ行け」は正しい

「研究者として、本気でキャリアを考えているなら海外へ行け」
・・・という言葉を、
聞いたことある人は多いんじゃないでしょうか。

悲しいですが、
正しいと思います。

それはなぜかというと、
日本の大学は一流の研究者に雑用ばかりさせるから
ですよ。

もちろん、
大学としてそうさせたいわけじゃないです。
当たり前ですが・・・。

ただ、そういう構造になってしまっているんですね。



なぜ、一流の研究者が雑用をしているのか?

結論からハッキリ言いますと、
事務職員のマインドが、大部分の原因だと考えています。

大学は、多くの事務職員によって支えられています。
研究の費用関係や、企業との契約関係などなど、
たくさん事務処理仕事をたくさんの事務職員が支えています。

ここで、人が持つ、マインドについて。

「新しいことがやりたい!」
「世の中に、まだないものを生み出したい!」
「研究して、解明するんだ!」
といったマインドをもった人は、
研究者になりますよね。

では、事務職員さんのマインドはどうでしょう。

「誰もやったことがない事務処理をするぞ!」
「前例のない手続きは、わたしが率先する!」
こういったマインドの人が、事務職員になってると思いますか?
答えはNOです。
事務職員さんの持つマインドは、
「前例のないことはしたくない」
「書類にミスがあったら怒られる」
「とにかく地雷をふまないように、安全に仕事がしたい」
といった、
とっても保守的なものになります。


そこで、研究者が、
「こんど、○○にチャレンジしたいんだ!」
と思い立って、
申請書類を用意しようとします。
「何を用意したらいんだ?」
と思い、担当部門の事務職員に聞きに行きます。
すると、
前例がなく分からない、やめてほしい
という意図の答えが返ってきます。
それでも研究者はあきらめずにチャレンジするため、
自分で様々な人たちに根回しをしたり、
雑用をしたり、
大量の書類を用意したりする仕事に追われるわけです。

ここで、事務職員が、
「先生のやりたいこと、分かりました。では、こちらで
方法や申請に必要なものなどを調べます。」
といった、スーパーサポート事務もごくまれにいるのですが、
多くの事務職員さんはそうではない。

「先生、ここの書類に不備あります。
書き直してください。」
「先生、これは何ですか?意図が分かりません。」
「先生、これの必要性や妥当性が分かる資料を用意してください。」
こんなことばっかり言って、
起業家を支援してるつもりでイジめているVCみたいなこと
してるわけですよ。

これが、一流の研究者であっても雑用をせざるを得ないメカニズムの、
少なくとも大きな原因だと考えています。

研究の中身じゃなくて、枠組みの整備に必死になって毎日働いています。
そりゃ、枠組みが整備された海外の大学に行きたくなって当然ですよ。



どうすれば日本の大学でも、研究者の雑用を減らせるのか

これに対して、
どうアクションしていけば日本の研究者が研究に集中できるのかという
イデアは、
現在私にはありません。
どうしたらいいでしょうか、日々悩んでいますよ。

決して、日々がんばって業務にあたっている
事務職員さんのことを悪く言っているわけではありません。
私自身、とても支えられています。
ただ、斬新なことや前例のないことが溝に落ちてしまう
構造になっているんですよね。
それをどうにかできないかなぁ・・・と思います。




(おしまい。)

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