毎日が経営学

テクノロジーをビジネスにするための考え方を書いていくブログ

ベンチャーキャピタルから投資を受けるためのプレゼンを、映画『怪盗グルーの月泥棒』から学ぶ。

先日、生まれて初めてユニバーサルスタジオジャパンに行ったんです。笑

もちろん、ミニオン・ハチャメチャ・ライド乗ってきました。

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それが楽しくて、ミニオンが可愛くて、
1作目の映画、『怪盗グルーの月泥棒』を見たんです。



Amazonプライムで、自室でこんな風に。笑

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その中で、
主人公のグルーがロケット開発のための資金を、
銀行に借りに行って、断られるシーンがあるんです。

その内容が、映画といえども、新規ビジネスの世界であるあるの内容でした。笑



グルーが銀行マンにプレゼンした内容

まず、グルーのプレゼンの内容は、

  • ロケット開発の費用を借り、ロケットを作る。
  • そのロケットに乗り、縮ませ光線銃を持って月へ行く。
  • 縮ませ光線銃で月を小さくし、盗んでくる

という、とてもシンプルなもの。
これに対して、銀行マンは、
銀「で、縮ませ光線銃は?」
というと、
グルー「まだ手に入れてません」
銀「手に入れても無いのに金を借りにきたのか?」

という感じで、
まずは縮ませ光線銃を手に入れろ、という指摘を受けて、
グルーはお金を借りることができませんでした。



縮ませ光線銃をゲットする事が、重要なマイルストーンの1つ

例えば、大学発新技術で創薬の場合、研究室レベルで新しい薬の候補化合物の開発に成功したが、
まだ動物実験で効果があるか確認していない。
この場合、この段階で、ベンチャーキャピタルなどに
「すごい薬になるから、投資してください!」
と言っても、返ってくる言葉はおそらく
「まずは何かしらの動物などで、本当に効くのかどうか試してからだ」
と言われるでしょう。
つまり、動物実験で効果を示すことが、重要なマイルストーンの1つであるわけです。

この創薬の例えとグルーのケース照らし合わせると、
縮ませ光線銃をゲットする事は、とても重要なマイルストーンになりますね。
まず、それをゲットできなければ月へ行っても仕方がない。


投資を受けるために、グルーが用意すべきものは

もし、まだ縮ませ光線銃が手に入っていない段階で投資家に向けて
プレゼンするのであれば、
1:縮ませ光線銃が今どこにあり、どれぐらい手に入れられる可能性があるか
2:縮ませ光線銃は、月のような大きな物でも可能なのか
3:縮ませ光線銃の効果は、どれくらい持続するのか、戻す方法はあるのか
4:月を盗んだ後、グルーがどのようにして儲けを出すのか

このあたりを説明すれば、ひょっとすると一部の投資家は小金をくれるかもしれませんね。笑
2と3は、縮ませ光線銃のspecであり、実験しないと分からない事も多いため、
やはり、縮ませ光線銃を手に入れることが急務ですね。



日本にも、不確実さが多い新規ビジネスに対して、前向きに投資や支援を行うVCや企業が増えて欲しい

この、「まずは縮ませ光線銃を手に入れて来い、話はそれからだ」
という旨の発言ですが、
大学発の技術などでもよくあります。
投資家であれ、企業であれ、「ココまで開発してくれたら、手を貸してやらんではない」
というスタンス。
でもそこで、縮ませ光線銃を手に入れる部分を支援してくれる人がほっとんどいない。

大学発のアーリーな技術に対して、目利きをしつつビジネスまで適切にハンズオン支援してくれる人がとても少数。
私は大学発のアーリーな技術を、ビジネスまで持っていく仕事をしているので、
これを強く感じます。



おわりに

アメリカの映画って、映画の中でもこういうビジネスマインドが感じられる部分があって、
良いなぁと思いました。

ミニオンが可愛かったから見た映画だったんですが、
ストーリーも感動的で良かったです。